タンデムマス検査では一回の検査でたくさんの病気を検査できる事が特徴です。
発見しやすい病気とそうでない病気がありますが、発見できる病気は、脂肪酸代謝異常症、有機酸代謝異常症、アミノ酸代謝異常症という3つのグループに分ける事ができます。
炭水化物からのエネルギーが少なくなってきた時に、脂肪は代わりのエネルギー源となります。 脂肪酸代謝異常症の患者さんはこのような時エネルギーが上手に作れません。 その結果、低血糖や急性脳症などの症状が出てきます。 沢山のエネルギーが必要な脳や心臓、筋肉ではよりダメージが深刻になる傾向があります。
(例)MCAD欠損症という病気は、普段は全く普通に生活をしているのに、風邪などで食事が摂れなくなると、突然の急性脳症、乳幼児突然死として発病します。
アミノ酸は分解していく過程で出来る“有機酸”という酸性物質が溜まって障害を起こします。 有機酸が増えると身体は酸性になります。 本来、ヒトの身体は弱酸性に保たれていますが、強い酸性に傾くと、急に元気がなくなり、呼吸が荒くなり、急性脳症の様な重大な症状を起こします。
(例)メチルマロン酸血症では、メチルマロン酸という酸が溜まって、重症の場合、生まれて間もなく急性発症する事が知られています。
食事から摂ったタンパク質は体に吸収されるときはアミノ酸になり、身体の中で必要なものに変わります。 アミノ酸代謝異常症では身体の中でアミノ酸を上手に分解できないために、 特定のアミノ酸が身体に蓄積して身体に障害をもたらします。
(例)フェニルケトン尿症では、たまったフェニルアラニンというアミノ酸が脳に影響し、徐々に発達遅滞が進行します。