「タンデムマスQ&A 2012」や、日本先天代謝異常学会、日本マススクリーニング学会、福井大学のホームページ等にも重複した内容があります。こちらも是非ご確認下さい。
これらのページをみても解決しない場合には、当協会が運営するTMSコンサルテーションセンターへご相談下さい。
Q
A
一般的な治療や管理については、このWebサイトに掲載のある「タンデムマスQ&A 2012」や、 福井大学小児科HPの「対象疾患の手引」http://www.med.ufukui.ac.jp/shouni/MSMSscreening/tebiki120620.pdf?をご参照ください。
日本先天代謝異常学会のホームページに、 主要な疾患の診療指針について掲載されています。
[診療指針] http://jsimd.net/gicg.html
また、恩賜財団母子愛育会のホームページから「タンデムマス導入にともなう新しいスクリーニング対象疾患の治療指針」のPDFや冊子が入手できます(http://www.boshiaiikukai.jp/milk05.html)。そのほか、各疾患を簡潔に解説している書籍としては、以下のものがありますが、他にも商業誌でタンデムマス・スクリーニングや先天代謝異常の特集号や別冊が出版されています。
・ 「タンデムマス・スクリーニングガイドブック」 山口清次編 診断と治療社
・ 「有機酸代謝異常ガイドブック」 山口清次編 診断と治療社
・ 「先天代謝異常症 Diagnosis at a Glance」 日本先天代謝異常学会編 診断と治療社
Q
A
タンデムマスという機器を用いることで対象疾患が増えました。タンデムマス分析では,既存の6疾患のうち3疾患(フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、高シトルリン血症)を含む最大22疾患をスクリーニングするようになりました。自治体によっては22疾患ではなく、16疾患に絞って検査していることがあります(自治体に問い合わせれば、対象疾患を確認できます)。尚、先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成およびガラクトース血症については従来通りの方法で検査しています。
Q
A
先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成およびガラクトース血症については、従来の検査方法でのスクリーニングが続けられます。また、血液ろ紙を使用する事や検査日齢、未熟児における再採血の適応、陽性に要再検と直接精密検査がある点などについては変わりありません。検査費用についても,これまで通りご家族の負担はありません。
Q
A
タンデムマスという機器を用いて 血液ろ紙中のアシルカルニチンやアミノ酸を測定します。これにより多くの脂肪酸代謝異常症や有機酸代謝異常症、アミノ酸代謝異常症の一部を1回の検査で同時にスクリーニングできます。
Q
A
カルニチンは脂肪酸がβ酸化を受ける際に、ミトコンドリア内に脂肪酸を運ぶ役割があります。アシルカルニチンとは、そのカルニチンと有機酸や脂肪酸を由来とするアシル基が結合したものです。特定の疾患によって上昇するアシルカルニチンの種類に特徴があるので、それを利用して生化学的に疾患を推定します。スクリーニングにおけるタンデムマス分析は全血中の濃度を測定していますので、商業ベースで行われているアシルカルニチン分画とは値なども異なるので注意が必要です。
Q
A
タンデムマス分析では、使用する機器のメーカーや種類で測定値が微妙に異なるため、画一的なカットオフ値の設定は出来ないという特徴があります。ただし、測定結果の捉え方として、福井大学小児科のHPにある「タンデムマス・スクリーニングの精密検査手順の手引き」に大まかな流れが記載されています(http://www.med.u-fukui.ac.jp/shouni/MSMSscreening/seimitsukensa-tejun.pdf)。
診断指標について、ほとんどの施設で同じ指標を使用していますが、使用するキットや分析方法の違いなどで一部の指標については施設毎に違いがあります。詳細については各検査施設にお問い合わせください。
Q
A
タンデムマス検査の限界として,全ての対象疾患において100%の患者さんを発見出来るわけではありません。罹患者であっても新生児期にタンデムマス検査で陽性とならない場合もあります。新生児期に正常と判断された患者さんも、以後の経過で代謝性疾患が疑われるような場合には再検査をしてください。また、特に長鎖脂肪酸代謝異常症は日齢が増すほど長鎖アシルカルニチン値が低下する傾向があるので漫然と再検査を繰り返すと見逃してしまう可能性が指摘されています。
Q
A
出生体重2000g未満で出生した児に対しては、従来と同様(体重2500g以上、生後1ヶ月、または退院時)に、1回目の採血結果に関係なく、2回目の採血をお願いします。詳しくは日本マス・スクリーニング学会HPにある「新生児マス・スクリーニングにおける低出生体重児の採血時期に関する指針」をご参照下さい(http://www.jsms.gr.jp/download/11_2_20131007.pdf)。
なお、未熟児におけるタンデムマス分析への影響は軽微とされており、原則的には健常新生児の基準値を用いて結果の判定を行っています。
Q
A
原則的には採血日齢は4?6ですが、症状がある場合には、日齢に関係なく速やかに採血して、乾燥後ただちに所定の検査機関に送付してください。
Q
A
発見頻度や治療効果、診断精度の面から考えていずれもマススクリーニングの要件を満たすと考えられる疾患を一次対象疾患としました。「タンデムマスQ&A 2012」のP18もご参照下さい。二次対象疾患はCPT2欠損症、CACT欠損症、全身性カルニチン欠乏症、グルタル酸血症2型、βケトチオラーゼ欠損症、シトリン欠損症の6疾患ですが、これらの疾患は偽陰性が多い、治療が難しい症例が多いなどの理由から二次対象とされました。しかし、その後の診断指標の検討などによって、診断精度が改善された事などから、全身性カルニチン欠乏症、CPT2欠損症、CACT欠損症、グルタル酸血症2型については一次対象に入れるべきではないかと考えられるようになってきています。
Q
A
脂肪酸(有機酸、アミノ酸)の代謝が障害されることで、必要な代謝産物が出来ない、或いは、中途の有毒な代謝産物が貯まって、組織障害を引き起こすことで、種々の症状が出現します。例えば脂肪酸代謝異常症であれば、脂肪酸からのエネルギー産生が障害されることで、低血糖や心筋・骨格筋障害、時に突然死やReye症候群などを呈します。
大まかな疾患概念や症状については、上述の資料や「タンデムマスQ&A 2012」のP20?22にも記載があります。
Q
A
試験研究では、施設や疾患によって異なりますが、全体の再採血率が0.2?1.1%、精査率は0.02?0.12%とされています。日本全体における陽性率はまだ分かっていませんが、再採血率は0.5%、精査率は0.05%前後を目安にカットオフ値を設定すべきと考えられています(花井潤師ら、日本マス・スクリーニング学会誌 2013年より)。
Q
A
疾患によっては偽陽性となりやすいものもあり、一概には説明できませんが、タンデムマス分析では9000人に1人の割合で患者さんが見つかるとされています。陽性率が上記のように約0.5%だと仮定すると、陽性者50人に1人くらいは実際の患者さんであると推測されます。また、陽性者10人のうち1人くらいは更に陽性(要精査対象)になると言われています。
Q
A
タンデムマス・スクリーニングで陽性であっても病気とは限りません。しかし、呼吸障害、循環不全、哺乳不良、代謝性アシドーシスや高アンモニア血症など先天代謝異常症を疑わせる症状があり、陽性であった場合は、その疾患である可能性が高く、すぐに治療および確定診断のための特殊検査を開始する必要があります。
また、多くの場合は無症状で発見されますが、要再検であれば、原則的に再採血だけして下さい。直接精密検査の場合、ろ紙血による再検だけでなく、尿や血清も採取し、尿中有機酸分析や血清のタンデムマス分析も必要です。また、アミノ酸代謝異常症や尿素サイクル異常症が疑われた場合には血漿および尿中アミノ酸分析も必要です。無症状であれば、直接精密検査であっても、初回検査でこれ以上の特殊検査は不要なことが多いですが、必要に応じて代謝の専門家への紹介やTMSコンサルテーションセンターへの相談も検討して下さい。
Q
A
家族への対応で気をつけるべき点は、「タンデムマスQ&A 2012」のP26にも記載がありますが、タンデムマス分析で診断可能な先天代謝異常の多くは、“普段は正常に見えるけれども、発熱や下痢などを契機に急変することがある疾患”です。そのため、家族はストレスを受けやすく、また病態の理解も難しい場合が多いです。
要再検の時点では、病気の説明を詳しくすると、家族に不要なストレスを与えてしまうだけになることがあるため、「哺乳不良などがあれば早めに受診すべきだが、再検結果が出るまでは普段通りで問題ない」と説明した方が良い場合もあります。
Q
A
タンデムマス分析だけでは確定診断になりません。疾患によってはかなりの正確度で疾患を推定出来ますが、ほとんどの場合、確定診断には特殊検査が必要です。
Q
A
一般に尿中有機酸分析、血清や尿のタンデムマス分析、酵素学的検査、遺伝子解析などの検査を指します。これらの特殊分析については、保険での算定が出来ます。
ただし、検査を行う機関は、特殊検査のできる保険医療機関ということになっています。現時点では保険医療機関以外で検査を行った場合はまだ認められていません。
保険点数の解釈については、各地区で微妙に異なることもありますので、疑問のある場合、地域の担当部署に確認されることをお勧めします。
Q
A
尿中有機酸分析、血清や尿のタンデムマス分析は当協会でも検査可能です。一足飛びに酵素学的診断や遺伝子解析が必要なことは極めて稀ですので、まずは尿中有機酸分析やタンデムマス分析等をご検討下さい。判断が難しい場合などは,当協会が運営するTMSコンサルテーションセンターのご利用も検討してみてください。
Q
A
先天代謝異常学会の診断指針(http://square.umin.ac.jp/JSIMD/JSIMDshishin.html)
にもありますが、疾患によっては必ずしも遺伝子検査が必要な訳ではありません。しかし、次子のための遺伝カウンセリングに必要な場合などには十分な説明のもとに実施することもあります。
Q
A
一般的な治療や管理については成書や上記に挙げた書籍、「タンデムマスQ&A 2012」、福井大学小児科HPの「対象疾患の手引」(http://www.med.u-fukui.ac.jp/shouni/MSMSscreening/tebiki120620.pdf)や、恩賜財団母子愛育会HPの「タンデムマス導入にともなう新しいスクリーニング対象疾患の治療指針」(http://www.boshiaiikukai.jp/milk05.html)など、参照してください。
Q
A
フェニルケトン尿症とメープルシロップ尿症用の特殊ミルクは保険収載されており,調剤薬局で入手できます。それ以外は「恩賜財団母子愛育会 特殊ミルク事務局(http://www.boshiaiikukai.jp/milk.html)」にファックスで申請すれば、現時点(2014年6月)では無料で入手できます。
Q
A
現時点(2014年6月)では定まった方針がありませんが、乳児期は1?2ヶ月ごとに定期受診して、一般的な採血・検尿に加えて、血漿アミノ酸分画、尿中有機酸分析やタンデムマス分析を必要に応じて行う先生が多いようです。近く先天代謝異常学会から各疾患の治療指針が出る予定ですので、それもご参考にして下さい。同じ疾患であってもフォローの間隔等は異なります。必要に応じてTMSコンサルテーションセンターにご相談いただくと、専門医からのコメントを得ることも出来ます。
Q
A
先天代謝異常の専門家は少なく、県内にはいないという地域もあります。地域によっては独自の診療ネットワークを構築している場合もありますが、そのようなシステムがない場合などはTMSコンサルテーションセンターにご連絡ください。
Q
A
総合病院との連携という意味であれば、かかりつけ医になることも可能です。早めの輸液などの対応が代謝不全を予防する意味でも大切な場合があります。ただし、疾患によっては急に増悪する場合もあるので、必要時に速やかに検体を採取したり、搬送出来る体制なども考慮する必要があります。
Q
A
・行政:実施主体は地方自治体で、公的事業です。自治体によって費用負担がなされています。
・産科医:検査前の説明や同意の取得、採血、検体の発送などを担当していただいています。多くの場合は再検査の説明や採血なども産婦人科で行っていただいています。
・小児科医:主に精密検査や再検査の段階で診断や必要があれば治療などを行います。新生児健診などで結果を説明する事もあります。必要に応じて遺伝カウンセリングなどを行うこともあります。
・検査施設:自治体からの委託を受けて、分娩施設から送られてきたろ紙血を速やかに検査し、あらかじめ決められた基準値に沿って判断を行い、コンサルタント医等と連絡を取りながら検査結果の報告を行います。
Q
A
はい。すべての疾患が対象となります。
Q
A
ピボキシル基含有抗菌薬などの投与でイソ吉草酸血症の指標であるC5が上昇し偽陽性を示すことが知られています。他にMCTミルク(オイル)などでアミノ酸代謝異常症やMCAD欠損症のマーカーが偽陽性となる場合があります。
Q
A
はい。変わりありません。
Q
A
1)哺乳後2時間前後の沐浴後が適しています。
2)採血用ろ紙(取り違えの無いように母親名等は記載しておく)、消毒用アルコール綿、穿刺器具(ランセット)、滅菌ガーゼ、止血用絆創膏等必要物品をそろえます。
3)左手(利き手の反対側)で新生児の足関節を保持し、右手のランセットで足蹠外縁部を穿刺します。
4)最初の1滴は滅菌ガーゼで拭き取り、その後、(搾らずに)自然に穿刺部から滴下する血液を○印の部分に吸収させます。
5)ろ紙は足底になるべく接触させず、○印を越え裏面に十分しみ通るまで採血しますが、二度付けはしないでください。
6)採血後は滅菌ガーゼで止血し、絆創膏を当てておきます。
7)採血後のろ紙は、汚染されないよう取り扱い、高温多湿を避け、直射日光に当たらない場所で、水平に保持した状態で重ねないで自然乾燥させてください。
8)十分乾燥した後は、ただちに専用封筒に入れ、その地域のスクリーニング検査機関に送付してください。
9)まとめて送付するためなど、採血後、長期に保管することは厳禁です。
(こども健康倶楽部http://kodomo-kenkou.com/cretin/info/show/477より抜粋)
Q
A
立てて乾燥させるとろ紙中に濃度勾配が出来て正確な検査ができなくなる事があります。
Q
A
必ず室温乾燥させて下さい。
Q
A
ろ紙は均等に血液が染み渡った事を前提として、定量性を確保できる(濃度を測れる)ように設計されています。重ね塗りをするとろ紙の中に濃度勾配ができて正確な測定が出来なくなります。偽陽性や偽陰性の原因になる事があります。
Q
A
ろ紙の端まで到達する様であれば結果に影響を及ぼす事があります。取り直しが望ましいと思います。
Q
A
完全に乾燥していれば重ねても問題ないとされています。
Q
A
採血後24時間以内であれば、まとめて送っても構いませんが、それ以上は採血機関で保管せず、速やかに発送してください。
Q
A
哺乳量に関係なく、規定通り日齢4?6(出生日を日齢ゼロとして起算)で採血して下さい。疾患によっては、哺乳が十分でないときの方が検出しやすいものもあります。その後、哺乳が十分になったときに改めて採血をお願いします。
Q
A
出生体重が2000g以上あれば、低出生体重児であっても従来の採血と変わりありません。2000g以下の児であれば、1回目の採血結果に関係なく、体重2500g以上、生後1ヶ月、または退院時に2回目の採血が必要です。日本マス・スクリーニング学会誌の「新生児マス・スクリーニングにおける低出生体重児の採血時期に関する指針」もご参照下さい。(http://www.jsms.gr.jp/download/11_2_20131007.pdf)
Q
A
再検査か直接精密検査かで対応が異なります。再検査では、初回検査を行った分娩医療機関で再採血となります。一方、直接精密検査では、至急家族に連絡して、指定医療機関を受診してもらいます。これらの仕組みは自治体によって多少の違いがあります。詳しくは自治体担当部署へご確認ください。
Q
A
指定医療機関は自治体毎に定められています。また、所定のコンサルタント専門医と連携を取る地域もあります。まずは自治体に問い合わせて下さい。
Q
A
要再検ならば(直接精査でなければ)、小児科の受診は不要です。
Q
A
一般的に,タンデムマス法では再検者10人のうち、1人は要精査になるとされます。また、再検者50人のうち1人は実際の患者であると推測されます。ただし、特定の施設で疑陽性が多くでる場合や、自治体によってはカットオフ値が低めに設定してあり疑陽性が多くなる場合もあります。担当検査施設などに確認してみると良いと思います。
Q
A
保護者に連絡して速やかに2回目の採血をするために受診して頂くことが原則です。少なくとも検査機関から再採血の連絡があれば、遅くとも1周間以内には再検査を受けるべきです。
Q
A
十分な説明をしても希望されないのであれば、それ以上は強制できません。母子健康手帳にはスクリーニングの欄があるので、そこにスクリーニングを希望されなかったことを主治医が明記しておくと良いのではないでしょうか。
Q
A
行政レベルでのスクリーニング検査は、受検不可と判断される可能性もあるので、所在地の母子保健担当者などに受検可能か問い合わせて下さい。受検可能であれば、対象疾患によっては発見、診断、治療が遅れて十分な予後が期待できない場合があることも説明した上で検査しても良いと考えます。なお、行政レベルでは受検不可でも、当協会では有料で検査は可能です。
Q
A
対象疾患が増えたこと、費用や負担は特に変化がないことは伝えて下さい。また、インターネットなどを通じて詳しく知る事が出来る事も伝えて良いかもしれません。
Q
A
産科医(助産師)の関わりは、従来のスクリーニングと大差ありません。しかし、疾患が増えるのと、疾患によってはこれまでと異なる対応が必要な場合もあるので、タンデムマス・スクリーニングの概要については最低限の知識を得ておく必要があるでしょう。
Q
A
疾患に応じて病状や発生率が違うため一概には説明できません。また同じ病気であっても個人差が大きいことも特徴の一つです。病気の確率については、全体的には9,000人に1人の割合で見つかります。
専門的で、ホームページ上でお答えしにくい質問が予想されます。出来れば、日本マススクリーニング学会のホームページや学会誌、海外の報告などを参考にして下さい。またはTMSコンサルテーションセンターを介して、コンサル医師団・コンサル技師団にご相談下さい。
Q
A
日本マス・スクリーニング学会が「タンデムマス・スクリーニング検査実施基準」でタンデムマス・スクリーニングの精度保証・精度管理について、その基本的な考え方と具体的な実施方法を示しています。(http://www.jsms.gr.jp/download/11_4_20140129.pdf)
国内でタンデムマス・スクリーニングの外部精度管理サービスを提供しているのは、当協会から委託された国立成育医療研究センター研究所スクリーニング研究室です。海外の外部精度管理サービス提供機関としては米国のCDC等があり、日本でもサービスの提供は受けられます。
Q
A
罰則はありませんが、改善のための作業が求められます。外部精度管理の結果およびレポートは各自治体および検査施設間で共有出来るようになっています。
Q
A
CDCのサービスは日本の対象疾患のスクリーニングについて精度保証をしてくれるものではありませんので、日本の精度管理を受ける必要があります。CDCろ紙血を日ごろの内部精度管理に利用するのは1つの利用方法として役立つでしょう。
Q
A
検査済ろ紙血液検体の保存期間、保存条件は規定されていません。実施主体の都道府県・政令指定都市が「実施要綱」で定めていますが、可能であれば保存期間は2年以上、保存条件は乾燥剤入りの密封容器で冷凍保存が望ましいです。
Q
A
自治体同士で各指標のヒストグラムやカットオフ値を比較することでカットオフ値の妥当性などを検討する事ができます。また、専門家の意見なども参考になります。詳細についてはTMSコンサルテーションセンターのコンサル医師団・技師団に相談する事も出来ます。
Q
A
対象疾患とその指標については厚生労働科学研究班の研究報告書などに基づいて決定されています。日本マス・スクリーニング学会が「タンデムマス・スクリーニング検査実施基準」でカットオフ値の初期の設定方法と見直し方を定めており、学会ホームページにも掲載されています。(http://www.jsms.gr.jp/download/11_4_20140129.pdf)
Q
A
検体の取り違えの可能性もありますが、対象疾患によっては再採血ろ紙で正常になることもあります。初回検体の取り違えの可能性を確認するには、初回検体全体の再測定をする必要もありえます。コンサルタント医師と精密検査を行うかどうか相談して下さい。
Q
A
多くの検査施設では、機器メーカーの定期保守点検プログラムを契約しています。機器の保守に訪れたサービスマンによる技術供与やメーカー主催の講習会に参加することで、基本的な技術を習得することは可能です。
機器トラブルによるダウンタイムを短縮するには、基本的な部品の交換、洗浄作業は各自で習得しておくべきです。
Q
A
厚生労働科学研究班が作成した新しい新生児マス・スクリーニング「タンデムマスQ&A 2012」では0.1?0.6%と記載されていますが、理想的には0.5%程度だと考えられています(花井潤師ら、日本マス・スクリーニング学会誌 2013年より)。